大乗院薬王寺

大乗院薬王寺

住職のごあいさつ

住職

大乗院薬師寺 住職 田中清元

和顔愛語

明けましておめでとうございます。
令和六年の幕開けです。今年こそ明るく楽しく健やかに、少しでも幸せを実感出来る良き年でありたい。
誰もがそう祈っての新年です。
ところが、その大切なスタートがどうにも雲行きが芳しくない。昨年は、ウクライナ戦争はあっても、コロナ禍からの脱皮や経済回復による生活向上などへの期待感が大きかった。そして何よりも「さあ今年こそ」という気概が日本中で溢れておりました。
それが、今年の新年は少々希薄のようです。国際的には、ウクライナ戦争継続やイスラエルのガザ地区侵攻、台湾紛争勃発の危険性などに続き、中国経済破綻による世界不況の懸念もあり、日本も無縁ではないでしょう。
昨年末、一年を象徴する漢字に「税」が選ばれたのも国民の経済不安を現したものではないでしょうか。
テレビに映されるのは、国のリーダーであるべき政治家の悪事ばかりが目立ち、憂国の念、明日への展望はどこへ行ったのか。
このような不毛を乗り越える困難は少なくないが、我々が本来持っている勤勉な精神を発揮して果敢に挑戦し、新しい時代に相応しい希望に満ちた日本を必ずや築いてくれる事と、願望を持って、信じております。
私たち仏教者である、僧侶も同じ責任があります。人々の艱難辛苦を、お釈迦様の教えを通して夢を与える責務です(抜苦与楽)日々の安寧、心身ともに充実した人生、そして生きる力と豊かな未来を。
日々の修行と坐禅の行の中で、「何を説き何を為すべきか」を命題に、お釈迦様と対話を重ねております。
お釈迦様の教えに「和顔愛語」(大無量寿経・修証義)があります。財産がなくても菩薩の道に通じる『無財七施』の一つが、「和顔施」。
優しい心を働かせて柔らかな笑顔を絶やさず、慈しみの心とともに赤ちゃんを見るような気持で人に接することを説いています。
私たちひとり一人は非力ですが、しかし、「和顔愛語」の教えが一人でも多く広がれば、社会も個人も、より良き方向に向かうのは間違いありません。自分が守るべき家族や職場、グループだけでなく、分け隔つことなく接してみては如何でしょうか。
辰年は、先見の明があり、多くは語らずとも、夢多き年と言われております。何故ならば12支の中で唯一、架空の生き物です。東洋では権力、隆盛、そして正義の象徴として親しまれ、誠におめでたい干支でございます。
「和顔愛語」。
今年が良き年であったと云えるように。新年のご挨拶が、師走のお歳暮みたいになりましたが、鬼をも笑わすような一年になりますよう皆様の菩提寺、宮の森薬王寺は悲しみも苦しみもやがて薬のように心の闇を照らす寺院を目指します。
どうぞ皆様、本年も辰の如し天を舞い、山寺にご参拝お待ち申し上げております。

令和六年元旦 合掌

住職

大乗院薬師寺

住職

田中清元


和顔愛語

明けましておめでとうございます。
令和六年の幕開けです。今年こそ明るく楽しく健やかに、少しでも幸せを実感出来る良き年でありたい。
誰もがそう祈っての新年です。
ところが、その大切なスタートがどうにも雲行きが芳しくない。昨年は、ウクライナ戦争はあっても、コロナ禍からの脱皮や経済回復による生活向上などへの期待感が大きかった。そして何よりも「さあ今年こそ」という気概が日本中で溢れておりました。
それが、今年の新年は少々希薄のようです。国際的には、ウクライナ戦争継続やイスラエルのガザ地区侵攻、台湾紛争勃発の危険性などに続き、中国経済破綻による世界不況の懸念もあり、日本も無縁ではないでしょう。
昨年末、一年を象徴する漢字に「税」が選ばれたのも国民の経済不安を現したものではないでしょうか。
テレビに映されるのは、国のリーダーであるべき政治家の悪事ばかりが目立ち、憂国の念、明日への展望はどこへ行ったのか。
このような不毛を乗り越える困難は少なくないが、我々が本来持っている勤勉な精神を発揮して果敢に挑戦し、新しい時代に相応しい希望に満ちた日本を必ずや築いてくれる事と、願望を持って、信じております。
私たち仏教者である、僧侶も同じ責任があります。人々の艱難辛苦を、お釈迦様の教えを通して夢を与える責務です(抜苦与楽)日々の安寧、心身ともに充実した人生、そして生きる力と豊かな未来を。
日々の修行と坐禅の行の中で、「何を説き何を為すべきか」を命題に、お釈迦様と対話を重ねております。
お釈迦様の教えに「和顔愛語」(大無量寿経・修証義)があります。財産がなくても菩薩の道に通じる『無財七施』の一つが、「和顔施」。
優しい心を働かせて柔らかな笑顔を絶やさず、慈しみの心とともに赤ちゃんを見るような気持で人に接することを説いています。
私たちひとり一人は非力ですが、しかし、「和顔愛語」の教えが一人でも多く広がれば、社会も個人も、より良き方向に向かうのは間違いありません。自分が守るべき家族や職場、グループだけでなく、分け隔つことなく接してみては如何でしょうか。
辰年は、先見の明があり、多くは語らずとも、夢多き年と言われております。何故ならば12支の中で唯一、架空の生き物です。東洋では権力、隆盛、そして正義の象徴として親しまれ、誠におめでたい干支でございます。
「和顔愛語」。
今年が良き年であったと云えるように。新年のご挨拶が、師走のお歳暮みたいになりましたが、鬼をも笑わすような一年になりますよう皆様の菩提寺、宮の森薬王寺は悲しみも苦しみもやがて薬のように心の闇を照らす寺院を目指します。
どうぞ皆様、本年も辰の如し天を舞い、山寺にご参拝お待ち申し上げております。

令和六年元旦 合掌

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